美術系の大学を目指していましたので、予備校は専門のところでした。美術系の予備校というと一般の人には少しイメージしづらいようですが、授業内容は、朝から夕方までびっちりと実技に当てられており、一応夕方以降希望者を対象に学科の勉強を行っていましたが、講師も学科専門の人間というわけではなく、したがって、学科に関してはほぼ自宅での自主学習という形でした。つまり、学科は宅浪と変わりなく、予備校生の頃は自宅での勉強時間の捻出に苦労していました。実技に関しては自宅で行う課題もあり、それがさらに予備校生の頃学科に充てる勉強時間を少なくしていました。
美術系とは言っても、当然学科でも一定の点数を獲得しないことには、いかに実技の実力がずば抜けていても合格することはありません。それでも私は自宅から通っていましたのでまだましだったと思いますが、一人暮らしの苦学生等はアルバイトとの両立にかなり大変な思いをしていたようです。予備校の講師が完全に美術畑の人間ばかりでした。そのことが予備校とは言いながら、極端な実技偏重の実態を生んでいたように思います。
通常の学科のみの受験を目指し予備校に通っている友人などは、予備校以外ではほとんど勉強をせず余裕の成績を取っている人間もいました。そういう友人をうらめしく思いながらも、予備校生の頃は睡眠時間を削って学科の勉強時間に充てざるを得ない生活を送っていました。予備校生活自体は充実しておりつらさよりも楽しさを感じるものでありましたが、同時に運営の在り方にも疑問を感じざるをえませんでした。